先輩の決断。どうする事もできない。

先輩が退職します。

私にはどうする事もできません。

先輩、といっても元々自分が社会人になってからの

初めての上司でもあります。

当時はバリバリ働いており、凄く恰好よかった記憶があります。

しばし部署やブロックが変わり、直接的に関係が無い時期もありましたが

ある時タイミングの問題で3年半程私の部下になったことも。

その時も変わらない態度で接してくれていて、助かりました。

いつも変わらない飄々とした態度で

どこまで本気か分からない冗談の多い人で

他の人とは違う独特の雰囲気を持っていました。

なので、最初に退職の話を聞いた時は

半分信じて、半分嘘だと思いました。

いや、嘘だと思いたかった、が正解だと思います。

話の流れや状況から本当の事だと思いましたし

退職届が受理されて、最終の出勤日も決まっているこの状況でも

まだ「嘘でしたー。ほらー、やっぱ騙されたw」と言って

笑ってくれるんじゃないかと思っています。

騙されたいのですが、どうやら、そうじゃないようです。

今日は急遽送別会をしてきました。

先輩はお酒が飲めませんので、夕飯を一緒に食べるだけでした。

話題自体は、退職が絡んでの話なので

これからの話や、過去の話など色々具体的な感じだったのですが

雰囲気はいつも通り。

まるで休憩の時の昼食を一緒に取っているような

そんな雰囲気でした。

感情をあまり表に出さない先輩ですが

WEBミーティングの最後の挨拶では、涙を流していました。

先輩が泣くなんて、一度も考えた事も、想像した事すらありません。

それを見て「絶対に会わなくちゃいけない」と思い

すぐに電話し、今日の送別会を設定しました。

でも結局送別会でも、自分の話をしてしまったなあと思います。

なんだかんだ聞き上手な先輩は、色々な人の話を聞いてきたんだと思います。

「えー、そうなの?」といって聞いているんだか聞いていないんだか

分からない態度ですが、過去に話した内容もちゃんと覚えている。

そういう人でした。

正直な所、しばらく私は自分の感情が分かりませんでした。

最初に退職の話を聞いた時は、悲しみだったと思います。

「あー、そうなんだ」と。

ちょっと理解が追いついていない悲しみ。

よく分かっていませんでした。

次に来たのは怒り。

会社の態度というか、あり方について。

今回先輩が退職するにあたり、先輩が悪い事は一切ありません。

というか、誰にでも起こる事。

たまたま、それが先輩だった、という事。

そんないい加減な事で、退職まで追いつめていいのか?

人の人生をなんだと思っているんだ?

これまで、どれくらいの時間を会社の為に使ってきた?

嫌な事にもどれくらい耐えた?耐え続けたよ俺らは。

それに対して、この仕打ち。

ハッキリと、怒りを覚えました。

そして今日。おそらく、会うのは最後になるであろう今日。

帰り道に感じたのは「寂しさ」でした。

寂しいよ。

もう仕事の相談もできない。

「これどうなんすか?どうしてます?」と

話かける事は、二度と無い。

会社に命運を握られている我々は

どうしたってこういう目にあう。

次は自分かもしれない。

やっぱり、自分の運命は自分で決めたいし

人に決められてはいけない。

気持ちを新たに、独り立ちする準備を進めていこうと

強く心に刻んだ日でした。